勉強研究ことはじめ

論証の仕方

自分の意見を主張するのは大事です。しかし、ただ自分の言いたいことを言っても他人には説得力を持ちません。説得力のある主張をするには、論証(argument)の仕方を学ぶ必要があります。

論証の基本

主張を明確にする

そもそも、主張が曖昧なことがあります。主張は、全く誤解の余地がないものでなければなりません。

  • 練習: ネコとイヌ、どちらがペットとして優れていると思いますか?

ここで、主張は「ネコが優れている」または「イヌが優れている」…でしょうか?ペットとしてという限定がついていますね。どちらが喧嘩に強いか、どちらが泳ぎが得意か、など、主張の内容によって必要な論拠は変わってきます。

主張は、可能ならば命題(proposition)の形にまで落とし込んでおくと良いでしょう。命題とは、イエスかノーかが明確に判断できる文章のことです。「1+1は2である」は命題です。「私はかっこいい」は(かっこいいと思うかは人によるので)命題とはいえません。

論拠を明確にする

論証の基本は、当たり前ですが論拠を示すことです。どういう根拠に基づいてあなたがその主張をしているのかを、相手に分かってもらわなければなりません。ある意味、論拠が正しいかどうかは、論拠が示されているかどうかに比べるとはるかに重要性が下がります。論拠も命題になっていることが望ましいでしょう。

とりあえず、どの主張にも最低3つの論拠を用意するようにしましょう。もちろん3つ以上でも構いませんが、数十個以上になる場合には、少数の論拠にまとめなおすことが出来るかもしれません。

なお、例えば「自分はそう思うから」「自分が好きだから」等は論拠ではありますが、このような主観的な論拠は、自分ではない他人には説得力を持ちません。客観的な論拠を示すようにしましょう。

出典を明記する

論拠も根拠が必要です。出典を明示しましょう。あなたが参照したのは本でしたか、論文でしたか、あるいはウェブページでしたか? 出典を明記することで、相手はあなたが何を参照したのかを後で知り、その信頼性を評価することが出来ます。

出典を明記する際、考えるべき基本は「相手が見つけることが出来るか」です。本ならばタイトルと著者名(タイトルだけでは同名の本が引っかかる可能性もある)、ウェブページならアドレスと参照した日時(書き換わる可能性がある)などを明記しなければなりません。参考文献リストの作り方に関しては、卒論執筆などの際には更に細かいルールがあります。

また、論拠として一番好ましいのは数字やデータです。主張を支持するデータを探しましょう。

フォー・スクエア・ライティング

フォースクエアライティング図

頭を整理するために、フォー・スクエア・ライティングを実践してみるとよいでしょう。4つの四角(four square)という名の通り、自分の主張を

  • 1つのトピック(主張)
  • 3つのサポート(論拠)

に整理します。その上でサマリ(結論)を書き、最後にイントロ(序論)を書きます。

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