勉強研究ことはじめ

レポートや卒業論文の執筆で参考になる本

はじめに

内容的にも形式的にも「きちんとした」レポートや卒業論文を書くのは、皆さんが思っているより大変です。論文のテーマ以外に関しても様々な知識が必要になるからです。

文章を書く能力を身につけるのは、筋トレと似たところがあります。こつこつと続けなければならず、一朝一夕では身につきません。また、仮に日本語(あるいは皆さんの母語)が話せても、あるいはSNS向けの短い投稿なら書けても、卒論のような分かりやすくまとまって長い学術的文章が書けるとは限りません。

最近では生成AIに書かせればいいやと思う不埒な人もいるかもしれませんが、AIに出力させても、出力結果が「きちんと」しているかを判断するのは皆さんなので、結局は皆さんの力量が問われることになります。

以下では学術的文章を書くトレーニングで参考になる本をいくつかご紹介します。書店やAmazon.co.jpでは品切れでも、大学や自治体の図書館にはあるかもしれません。

勉強法

卒論にしろレポートにしろ、あるいは大学での学び自体がそうかもしれませんが、あらゆる勉強は突き詰めれば独学です。講義を聞くことは有用ですが、結局は自分で勉強することになります。一人で勉強するためのテクニックに関しては、読書猿「独学大全」が参考になります。

文章術

そもそも卒論やレポートに限らず、日本語で(あるいは皆さんの母語で)ひとまとまりの文章を書くにはどうしたらいいでしょうか。A4 1枚の紙にワープロのデフォルト設定で文章を書くと、だいたい1000字になります。A4 1枚の文章を書くのは案外大変です。

後藤禎典「時速1000字で書く技術」は、書名の通り1時間で1000字の文章を仕上げるにはどうしたらよいかという内容ですが、ポイントは「1時間で書く」ではなく、下ごしらえとして事前にメモを作ることの重要性です。いきなり書き殴る、というのも一つの手ですが、冗長だったり、肝心なことが盛り込まれていなかったりします。完成版の文章を書くときには、下書きをした方が良いでしょう。

とにかく何から手を付けたら良いか分からないという人は、手がかりとして箇条書きはどうでしょう。橋本淳司「「箇条書き」を使ってまとまった量でもラクラク書ける文章術は、箇条書きで文章の骨組みを作る方法を説明しています。唐木元「新しい文章力の教室」も、読みやすい文章を構造的に書くための方法を分かりやすく説明していておすすめです。

日本語の長文を読み慣れていないと、そもそもどういう文章が「良い」文章なのか分からないかもしれません。そういう人は、三浦順治「英語流の説得力をもつ日本語文章の書き方」を一度読んでみるとよいでしょう。この分野の古典としては、(皆さんはいわゆる文系ですが)木下是雄「理科系の作文技術」も有名です。

数学

数学に苦手意識のある人は多いと思います。それは、おそらく問題が解けなかったからでしょう。しかし、数学のリテラシ(読み書き能力)は、数学問題が解けるというのとは別の技能です。皆さんは日本語は読めると思いますが、数式も実は「言葉」のようなもので、慣れれば論文中に出てくる数式の「意味」をぱっと理解することが出来ます。その意味で、数学が「読める」ことは数学ができることよりも重要です。

大学学部生の段階で、どうしても身につけてほしいのは 「微積分(解析学)」「線形代数」「統計学」 のリテラシです。数学は、海外の教科書のほうが一からすべて書いてあるのでおすすめです(翻訳がひどいものもありますが)。とっつきやすいものを紹介すると、微積分については、ポントリャーギン「やさしい微積分」は本当にやさしいのでおすすめです。線形代数については「スタンフォード ベクトル・行列からはじめる最適化数学」がやや長いですが読みやすいでしょう。統計学は、中原治「基礎から学ぶ統計学」が図が豊富で分かりやすいと思います。また、数学全般では結城浩「数学ガール」シリーズがライトノベル風で読みやすいかもしれません。

論文・レポートの書き方

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